17) 担ガン動物(犬、猫)に対する栄養療法に対する核酸、
メシマコブ使用例のアンケート調査による評価(2004)


花田道子  宮野のり子
動物病院NORIKO


 我々は1992年からヒト用に使用されてきた核酸栄養補助食品に注目し、1996年に動物用核酸栄養補助食品(ヌクレオエンジェル、および エンジェルセブン)を開発し、これらをベースに不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、酵素 等を用いた栄養療法を行ってきた。近年、犬猫の高齢化が進むにつれ担ガン患畜も増えてきたため、栄養療法に加え韓国で制癌剤として認められているメシマコブ(PL2、PL5株菌糸体の純培養製品)を使用した免疫療法も取り入れている。これらの療法は全て経口で行うため、飼い主の協力に負うところが多く、開始する際のインフォームドコンセントがよりいっそう大切になっている。また、在宅のみ、遠隔地の患畜に対しても飼い主の意思がある限り、カウンセリングとアフターケア(経過観察の連絡等)で始められ、当院のホームページ、インターネットを見た方からの問い合わせも多くなってきた。以前に、1996年〜2002年1月までにこれらの療法を行った飼い主約350人(当院193人、遠隔地143人)へアンケート調査を実施したところ腫瘍性疾患を対象にした使用例が遠隔地の犬で全体の41%、猫では24%と、当院の犬13%、猫15%よりはるかに多いことがわかった。
 そこで今回は、その後の動向を見るために、腫瘍性疾患にしぼり再度アンケート調査(2004年3月末日までの患畜)を可能な限り実施(死亡例に対しては慎重に選択)し、飼い主の栄養療法、免疫療法に対する意識と評価および核酸、メシマコブの効能についてもまとめたので報告する。

方法

1. 対象動物:腫瘍性疾患と思われる患畜 A群:当院患畜 B群:遠隔地患畜

2. 使用した核酸およびメシマコブ
1)核酸栄養補助食品:ヌクレオエンジェル(NA)エンジェルセブン(A-7)ヌクレゲン(NU)
2)メシマコブ製品:メシマピュア(M)

3. 与え方:
1) NA A-7 NU:健康維持量の2〜4倍量を症状、体重等にあわせて食餌と共に与える
2) M:1日に1包〜3包を食間に(食餌と20分以上あけて)与える。
3)併用する薬、その他のサプリメント:ある場合はそのまま続行し、特に制限はしない

4. アンケート内容
個体データ:動物種、品種、性別、年齢、飼育場所、食餌内容など
疾患データ:診断名、罹患部位
サプリメントデータ:種類、投与量、回数、投与方法、嗜好性
評価データ:効果あり/なし/不明  死亡時の様子

結果:
NAのみ、A-7のみ、NAとM,A-7とM、と組み合わせは様々だが、概ね効果ありという評価がA群で85%、B群で65%得られ、Q.O.L.の改善はほぼ全例にみられた。効果ありというのは、皮膚腫瘍や乳腺腫瘍の縮小〜消失という肉眼的に明確なものからQ.O.L.の改善を効果ありと意識するものまで含まれている。Q.O.L.の改善の内容としては、元気、食欲の改善はもとより、疼痛といった腫瘍疾患に伴う苦痛も緩和されていた。 まとめ:
A群とB群の飼い主の評価の大きな違いは、腫瘍治癒に対する意識の違いがまず挙げられる。どこまで改善されたのを良しとするかである。肉眼的変化、血液、血清、その他の検査データが変わらなくても、Q.O.L.が改善され、楽に生活でき、たとえ死亡したとしても苦しまず安らかな最期であれば納得できる療法であったとする飼い主と、西洋医学的知見から満足できなかったり、速効性を期待した飼い主では評価が違ってくる。また、これらの療法を開始する時期ときっかけにもより、A群は早期発見、早期開始で悪性化させない予防的な段階でも開始しているのに対し、B群の大半はもう成すすべがないといわれ、最期の手段として選んだため治療効果がわからないまま死亡してしまったというケースがかなりあったためと思われた。動物の自然治癒力と免疫力を重視した療法を薦めていくには、まず、飼い主の‘からだに優しい療法’に対する意識を高め、もっと予防に眼を向けさせることが大切であろう。